取り扱いウェットスーツ生地について
ウェットスーツ生地は、国内外で作られており沢山の種類があります。弊社では現在、ゴム、ジャージともに、国産メーカーを選択しています。用途、考え方などによって一つ一つの要素の組み合わせによってできています。大まかではありますが弊社の取り扱い生地の説明をいたします。
生地の構造
一枚のゴムに接着剤を塗り、ジャージを貼り付けています。両面貼り付けることもあります。このゴム、ジャージ、接着剤に沢山の種類、ランクなどがあります。また、製造方法も多岐にわたり、仕上がりに違いが出るようです。製造方法まで追求していくと、科学の世界になり私には分かりません。生地メーカーの研究開発はすさまじいスピードでアップデートされており、一般の方でも最新の生地を触れて驚いている様子をよく見かけます。
生地断面図
①クロロプレンゴム(ネオプレン)
まず、基となるゴムがあります。ウェットスーツに使用するゴムは、ゴムの中で最も良く伸び断熱性が高いのが特徴です。このゴムには➁気泡が含まれてます。用途により含有量も変わってきます。
硬いタイプから柔らかいタイプまでの間に何段階もランクがあります。弊社は柔らかいタイプを採用しています。伸び、軽さも同じく、厚さは、1mm,1.5mm,2mm,2.5mm…と何段階もあります。保温性に関係するため季節により選択します。
③接着剤
ゴムにジャージを貼りつける際、接着剤を使用します。有機溶剤で接着した生地が主でしたが、環境への配慮を鑑みて水溶性接着剤を使用した生地へ切り替え中です。2023年5月現在90%切り替えています。また、ウェットスーツ製作時のパーツ生地とパーツ生地の断面貼り合わせにも、水性ボンドを使用しています。
④⑤ジャージ
沢山の素材、カラーがあります。多岐多様で価格差が大きく選択が難しいです。同じスーツタイプで生地が違うだけで販売価格が全然違うことになるのは、このジャージ価格が大きく違うためです。ジャージは、ナイロンやポリエステル等の化繊で、主に伸びの出るニット網で作られています。ゴムだけでなくこのジャージも伸びに大きく影響してきます。片面に貼る場合、両面に貼る場合があります。冬物スーツに関しては、保温力に特化した発熱系などの起毛ジャージを裏面に貼り付けます。伸び、肌触り、価格などを総合的に考慮し選択しています。
⑥ラバーの場合
ウェットスーツというと、黒いゴムを着た立ち姿をイメージする方も多いのではないでしょうか?ジャージを貼りつけていない状態ですが表面加工をしています。ツルツルにしたフラット、網目状のメッシュ、肌滑りが良いコーティングなどあります。ジャージと違い水分を含まないので、水切れが良く保温力が高い反面、引っ掛けや擦れなどに弱いため、取り扱いに注意が必要です。
最後に
私がウェットスーツを初めて着た学生時代から、ウェットスーツ製造メーカーを経て現在に至るまで、数多くの生地が誕生してきました。これからも新商品が出てきますのでニーズに合った選択をしていきます。全てをお伝えしきれないのですが、お楽しみいただけたら幸いです。